塩屋湾のウンガミ

https://w3id.org/ifcp/187

詳細情報

Type
http://www.cidoc-crm.org/cidoc-crm/E1_CRM_Entity
名称
塩屋湾のウンガミ
しおやわんのうんがみ
詳細
 塩屋湾のウンガミは、沖縄県北部の大宜味村の田港区・屋古区・塩屋区・白浜区のシカアザ(四か字)で行われる行事である。旧盆明けの初亥の日を中心に3日間かけて行われており、1年交代でウグァンマール(御願年)とウドイマール(踊り年)とを行う。  ウグァンマールには、行事前夜にハミンチュ(門中を代表する神女)がそれぞれの門中の元屋(本家筋の家)に集まり、ウンケー(神迎え)を行う。ヌル(祝女。塩屋湾のウンガミの祭祀を主宰する神女)が、サンナム(ヌルの世話役)とシマンホー(島方。祭祀を担当する男性)を従えて神のお迎えをし、明日のウンガミの実施を神に告げて案内する。  当日の朝、ヌルが田港のウフェー屋を拝み、田港アサギ(祭祀を行う建物)に向かう。ハミンチュたちも、各々のメービー(世話役)に付き添われて田港アサギに集まる。神女たちは、アサギの東側を流れるタンナ川に行って拝み、最後に川水をつけた手で額を3回撫でる。  次に田港アサギでウンケージャク(御迎酌)を行う。ヌルがお酒(泡盛)を盃に注いで祭りの始まりを告げる。ウンケージャクが終わると、参拝者を含めて全員に、ミキ(神酒)を配る。門中の人たちは、それぞれの門中のハミンチュを拝み、長方形のムリ餅をいただく。ヌルとハミンチュは、マタザイ(二股の銛を真似た道具)を持ったシマンホーの先導で屋古アサギに向かう。  屋古アサギではヌルはアサギを背に海に向かって南面し、ハミンチュたちも所定のタムトに座り、シマンホーたちは中央の柱の周囲に座る。ヌルはウンケージャクを行い、屋古の旧家二軒の当主と盃を交わす。屋古アサギでは、ハミンチュはアシビガミ(遊び神)・ファーリガミ(爬竜船神)・スリガミに分かれる。ワハヌル・ウフシル(アシビガミの一人)・スリガミの三人のハミンチュは山の方に向かい、手の甲を額に当てて地面に伏せる。ヌルは祈願した後にアザハバ(ボチョウジの葉)とジジキ(ススキ)を束ねたもので三人の背をたたく。  屋古アサギでの行事が終わると、ヌル・ワハヌル・ウフシル・ウフチガミ(アシビガミの一人。田港ワハヌルともいう)は駕篭【かご】に乗り、シマンホーに先導されて塩屋のシナバ(砂場。現在は青年浜【せいねんばま】と呼ぶ)に向かい、ファーリガミたちは屋古の海岸のフルガンサに向かう。  田港と白浜・屋古・塩屋の3組がそれぞれ大小2隻のファーリーを出し、これには大保・押川・江州の集落からも漕ぎ手が参加している。六隻のファーリーには、それぞれファーリガミも乗り込む。まず、ウグワンバーリーとして、フギバンファーリー3隻が出発する。ファーリーが塩屋のアガリヌハマに到着し、ファーリガミが下船すると、漕ぎ手は海に飛び込んで櫂と櫂とを互いにたたいて気勢をあげる。続いて、ウフバーリー3隻の競争が同様に行われる。  ヌルの行列が兼久浜に到着すると、ニレー・ジュウグ(竜宮の神)にウンガミ行事の無事終了を感謝するとともに、豊作と寄り物(豊漁)を祈願するナガリを行う。最後にシマンホーがイルカを捕る所作をするフィートゥ(イルカ)ヌニゲーを行う。  ヌルたちは再び行列を組んでシナバに戻り、そこでパーシを行う。パーシが終わると、シナバで沖縄相撲の奉納が行われる。  ウグァンマールには、翌日にヤーサグイを行う。ヌルやハミンチュたちが拝所を拝み、ハミンチュの元屋を回り、その家の不浄を祓い、一家の健康と繁栄を祈る行事である。  ウドイマール(踊り年)には、塩屋ではウンガミの翌日塩屋小学校前のアサギマーでウドイ(踊り)を行い、屋古と田港では、サーサーといって、ハミンチュと村人たちが集まって、アサギマーなどでミキを飲んで踊る。  この行事は、沖縄の伝統的な民俗信仰のあり方をよく伝えているとともに、沖縄県北部に分布しているウンガミの典型的な事例の1つとして重要である。
公開日
通例公開日
毎年旧盆明けの初亥の日を中心とした3日間
詳細
現8月開催
URL
http://kanko.vill.ogimi.okinawa.jp/village/ungami/index.html
重要無形民俗文化財指定情報
https://w3id.org/ifcp/187/register
発祥
Type
http://www.cidoc-crm.org/cidoc-crm/E5_Event
発祥記述
URL
https://w3id.org/ifcp/
日付
記入者
発祥時期
発祥地
名称
URL
https://w3id.org/ifcp/
カテゴリー
https://w3id.org/ifcp/category/p6
https://w3id.org/ifcp/category/practice